何年ぶりだろう、自分から観たいと思える映画は。
熊本では先週末から上映がスタートしたので、昨日の夕方の回に足を運んだ。
サンロード新市街にある、老舗のミニシアター『電氣館』。
とにかく、ここの雰囲気が好きだ。
どんなに時代が変わっても、ここだけはなくなって欲しくない。
ココと長崎書店がなくなったら、熊本のPOPカルチャーは間違いなく終わると思う。
手書きの上映スケジュール。
2Fのカフェスペースは、映画ファンの社交場のような存在だ。
東海テレビが制作したドキュメンタリー映画『さよならテレビ』。
東北の震災のあとにつくられた自社CMで東海テレビの存在を知ったのだが、
とにかく、クリエイティブが秀逸だ。
どの映像にも、メディアとしてのとてつもない「覚悟」が感じられ、
作品を観る度に、心をえぐられるような感覚に襲われる。
このこじんまりした感じがいいんだよなぁ〜。
全席自由なのに加え、けっして観客数が多くはないので
始まる前に自分が観やすい席を探す。
座っては移動、座っては移動を繰り返し、ベスポジを確保。
映画の詳細について、細かくは書かないが、
テレビ局で働く、それぞれの立場での葛藤が生々しく切り取られており
緊張感とイライラ、共感が混じり合う素晴らしい映画だと思う。
“伝える”とは何か、メディアとして“本当に必要なモノ”とは何か?
タイトルに書いた「薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん」は、
本作品のポスターやチラシにあるキャッチコピー。
忖度や薄っぺらいメディアプライドでメディア人を気取っている
全ての広告業界関係者に観ていただきたい作品だ。