年に一度、
GWのこの時期になると向かう場所がある。
蘇陽。
目的は、大学時代の後輩の墓参り。
後輩と言っても、正直言葉を多く交わした記憶はない。
彼が同じサークルに一年後輩として入部し、
1ヶ月も経たずに起こった出来事だったから。
急性アルコール中毒。
当時の記憶は断片的にだが覚えている。
しかし、事の重大さをしっかりと理解できたのは
恥ずかしながら、ここ最近かもしれない。
平成13年5月1日、彼がこの世を去った次の年から
震災が起こった2016年を除いて毎年お墓に線香をあげに行っている。
結婚しようが、子どもができようが、そんなことは関係ない。
何があっても自分が死ぬまで続けるつもりでいる。
365日のうちの、たった1日。
行きと帰りの数時間くらいは彼のことだけを考えたい。
実は昨年、いつも通りお墓に手を合わせ、
車で帰ろうとすると、男性に声をかけられた。
「もしかして毎年来ていただいてますか?」
「彼の父です。いつも本当にありがとう。」
帰りの車の中で、涙が止まらなかった。
ボク自身、父親という立場になったからこそわかったことがある。
許されたなんて思ってはいない。
ただ、この言葉の重さを、一生忘れてはいけないと思った。
彼が19歳で亡くなって、19年目の出来事だった。
世の中は厳しい状況が続いている。
ここ数日は、個人的にも良くないことが続いていたのだが、
短い時間ではあったが、
彼と話をしたら、少し心が落ち着いた。
起きてしまった過去を変えることはできない。
ただ、そこ過去を無駄にしない未来にしなければならない。
蘇陽の空は、ずいぶん青かったな。
また来年、会いに来ます。