数年前、とある行政コンペのプレゼン中、
質問されたことに対して答えている途中で言われた一言。
「キミの話は、長い」
ただただ誠実に、わかりやすく伝えようとした結果、
吐き捨てるように放たれた一言で、
その仕事に対する愛情は一瞬で消え失せた。
結局そのコンペ自体は負けることになったのだが、
逆に獲れても良いパフォーマンスは出せなかったと思う。
大事なのは、“誰”と“どんな”仕事をしたいか。
もちろん、広告会社なので
クライアントワークが基本ではあるのだが、
発注側が偉くて、受注側は下みたいな関係はあまり好きではない。
あくまで、ビジネスにおいては対等でありたい。
「俺のいうことを聞け」的なスタンスであれば、
「どうぞ、飼い主に従順な広告“代理店”にでもご発注ください」って感じだ。
今日、とある制作会社を訪れた。
知り合ってそんなに月日が経っているわけでもなく、
仕事を一緒にしたわけでもない。
でも、クライアントからオーダーを受けたとき、
直感的に彼の顔が浮かんだ。
この仕事は、彼とやったら絶対良いものができる。
根拠はないが、そう思えた。
昔に比べて、情報が多くなった分
検索すれば自学でスキルを身につけれる環境にある。
実際にスキルが高い人もたくさん増えたはずだ。
でも、スキルがあるからといって一緒に仕事がしたいとは思わない。
例えば、
一つのキーワードについて広がる世界感だったり、
同じ空間にいて感じる心の動きだったり、
嫌いになれない絶妙な間であったり。
同じベクトルで、異なるスキルを出し合う。
不得手な部分を補い、得手を最大化する。
そんなチームが作れたら、
楽しい仕事にならないはずはない。
最後に残るのって、やっぱ“人”なんだよな。
こういう感覚で仕事をしていると、
AIが進歩したところで何の脅威もなかったりする。
「そっちの雑務だけやっといて」って感じだ。
できないことを嘆くより、
できる中で何を作り出すかが大事。
ようやく、ポジティブマインドが戻ってきた。
明日は、もっといい日になるはずだ。