10代の頃、
行きつけの洋服屋で、革靴の試着の仕方が悪いと怒鳴られた。
20代の半ば、
浴衣はパジャマなんだから、食事に行くなら麻の浴衣にしなさいと
着物屋のオーナーさんに教えていただいた。
30代前半、
飲食店のお客様に食事に招待され、割り箸についていた紙の帯を
箸でひねって破いた瞬間、無作法だと怒られた。
いろんな業界にマナーがあって、
昔は年長者の方が、きちんと怒ってくれたものだ。
うわべのカッコよさや、美しさだけでなく、
歴史や文化を背負っているお店というのは
以前に比べれば少なくなった気がする。
そんな中でも、プロとしての矜恃があり、
ビシッと筋の通ったお店を担当させていただけてるのは
本当にありがたいことだな。
先日、チラシの納品で伺った日本料理屋さんで見せていただいた
制作途中という「からすみ」。
料理長の丁寧な仕事っぷり、見ただけでわかった。
ここから天日で干す作業を繰り返し、理想のかたさと色に仕上げていくとのこと。
下戸だが、純粋にこれは食べてみたいと思った。
その帰り際、「食べてみて」と渡された馬肉の煮込み。
「玉ねぎとブラックペッパーだけで煮込んだから、甘辛くはないですよ」とのこと。
たしかに、和食で肉を煮込むとなると、
醤油、酒、みりん、砂糖で甘辛く煮ることがほとんどだろう。
おぉ、食べたことない味だ^^
60年以上続く伝統は守りつつ、これまでにない価値を提供する。
頭で考えていても、行動に移すのは難しい。
現状維持は、退化。
いつまでもチャレンジし続ける人間でいたいものだな。
素晴らしい刺激をありがとうございます^^