圧巻の90分だった。
ライブというよりは、演劇を一本観たかのような感覚だ。
声色、表情、立ち居振る舞い、
真っ直ぐと見据えたその目には
一点の曇りも見当たらなかった。
ギターとマイク一本で、
あんな世界が作れてしまうのか。
2曲目で緩んだ涙腺は、
3曲目の革命で早くも崩壊した。
初めて聴いた「俺が俺で俺だ」は、
今日のライブで一番くらったかもな。
ヒップホップなはずなのに、
客は一切揺れることなく
親の仇のような目でステージを見ている。
時折聴こえる、鼻を啜る音。
爆音が流れる中、涙を拭う人もチラホラ。
アンコールはなかった。
なくてよかったという方が正しいかもしれない。
それくらい、全力で走り抜いてくれた。
こんなライブ、初めてだ。
放心状態が今も続いている。