ひと言、物申す

vol.050 Say no to spec

広告業界あるあるの話。

官公庁をはじめ、一般企業でもよくある“コンペ”というやつ。

「企画」や「アイデア」を複数の会社から寄せ集め、

最もよかったところの内容を採用するというものだ。

「様々なアイデアの中から、一番良いものを選びたい」という気持ちはわかる。

ただ問題なのが、多くの場合、そこに対する対価は支払われないということ。

「自己負担」ってやつだ。

この業界にどっぷり10年以上過ごしていると麻痺してしまうのだが、

他の業界に置き換えてみると、それがいかにおかしなことかがよくわかる。

カナダの広告代理店 Zulu Alpha Kilo が少し前に制作して

世界的な議論にも火をつけた動画。

“私は、最善のパートナーを見つけたいと思っている”

“スペックワークとして、あなたのサービスを無償で提供してほしい”

“気に入れば、その対価をあなたに支払います”

普通に考えたら、頭がおかしいとしかいえないこの行動も、

広告業界の中では「普通」のことだったりする。

要は、「発注側」が圧倒的に正義で、「受注側」が従うのが当たり前といった構図だ。

10年の営業経験の後、プランナーというクリエイティブ畑で6年を経て思う。

アイデアやデザインをゼロ→イチで生み出すのは、

並大抵のことではできない。

そこへ費やす時間、より良いものをと携わってくださる人たち・・・

タダなわけねぇだろ。

やると決めたらとことんやる、それがプロだ。

一方で、もっと良いパフォーマンスを出すための環境を作ることも重要。

今すぐ変わることは難しいが、

少しずつでも「受注側」が、当たり前の声を上げていかなければと思う。

win-winってそういうことだよね?

ボクはただ、

みんなで楽しく、結果を出す仕事がしたいだけなんだよ。

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