今日、とある取材で人吉の鍛冶屋さんを訪れる。
豪雨からもうすぐ1年、
久しぶりに訪れた人吉は、まだまだ復旧の道半ば。
お世辞にも綺麗とは言えない建物。
自宅兼店舗が大きく被災され、
現在は被害の少なかったこちらの工房を拠点に営業されているそうだ。
やっぱ、職人さんってカッコえぇなぁ〜。
ボクの自宅の隣町の川尻も包丁が有名で、
三徳、菜切り、ペティは林昭三さんの工房のものを使っている。
もちろん、ステンレス製のオシャレな包丁も嫌いではないが、
鍛冶屋さんの和包丁の使いやすさと切れ味には敵わない。
ショーケースの中から見つけた瞬間、購入を決めたこの包丁。
“子ども用”。
個人的に、玩具屋やホームセンターに置いてある、
子どもが使っても“危なくない”包丁が大キライだ。
そもそも包丁って、“切れる”ものだし、
大人が使ったって“危ない”のは当然のこと。
使い方を間違えれば、ケガをするし、ケガをすれば痛い。
それを教えるのが親の仕事だ。
10代目店主の「名前彫れますよ」の言葉に甘えて、
息子と娘の名前を彫ってもらった。
まだまだ修行中という店主が、心を込めて彫ってくれた名前。
デコボコで無骨に見えるが、
そこには使う人間への「愛」が溢れているように感じた。
少し前に、対面で買う理由ってなんだろうと書いたが、
その答えって、多分こういうことなんだと思う。
そこに、想いがあるか?
そこに、ぬくもりはあるか?
誰かに伝えたい素敵なお店が、また一つ増えた。
蓑毛㊀鍛冶屋
https://www.instagram.com/minomo_kajiya10second/?hl=ja