家に帰ると、テーブルに100円玉が一つ。
誰のか尋ねると、
息子の通学路に落ちていたモノらしい。
一緒に登校していた仲の良い上級生からは
「拾ったら警察に届けないといけないから拾うな」
と言われたみたいだが、
やはり気になってこっそり拾って持ち帰ったとのこと。
息子にどうするか聞いてみたら、
「能登の人たちのために募金したい」だって。
おそらく正しいのは、上級生のほうだと思う。
拾ったら警察に届けるべき。
たかが100円、されど100円。
世の中が変わるわけではないけれど、
曖昧にせずに善悪を伝えるのも親の務めだ。
きちんとそのことを息子にも話した上で、
警察に行くのではなく、募金をすることにした。
少しでも役に立ちたいという息子の想いは
けっして悪行ではないはず。
知らぬ間に、「幹太」の名の通り、
真っ直ぐ太く幹が育っているようで嬉しくなった。