広告業界あるあるの話。
官公庁をはじめ、一般企業でもよくある“コンペ”というやつ。
「企画」や「アイデア」を複数の会社から寄せ集め、
最もよかったところの内容を採用するというものだ。
「様々なアイデアの中から、一番良いものを選びたい」という気持ちはわかる。
ただ問題なのが、多くの場合、そこに対する対価は支払われないということ。
「自己負担」ってやつだ。
この業界にどっぷり10年以上過ごしていると麻痺してしまうのだが、
他の業界に置き換えてみると、それがいかにおかしなことかがよくわかる。
カナダの広告代理店 Zulu Alpha Kilo が少し前に制作して
世界的な議論にも火をつけた動画。
“私は、最善のパートナーを見つけたいと思っている”
“スペックワークとして、あなたのサービスを無償で提供してほしい”
“気に入れば、その対価をあなたに支払います”
普通に考えたら、頭がおかしいとしかいえないこの行動も、
広告業界の中では「普通」のことだったりする。
要は、「発注側」が圧倒的に正義で、「受注側」が従うのが当たり前といった構図だ。
10年の営業経験の後、プランナーというクリエイティブ畑で6年を経て思う。
アイデアやデザインをゼロ→イチで生み出すのは、
並大抵のことではできない。
そこへ費やす時間、より良いものをと携わってくださる人たち・・・
タダなわけねぇだろ。
やると決めたらとことんやる、それがプロだ。
一方で、もっと良いパフォーマンスを出すための環境を作ることも重要。
今すぐ変わることは難しいが、
少しずつでも「受注側」が、当たり前の声を上げていかなければと思う。
win-winってそういうことだよね?
ボクはただ、
みんなで楽しく、結果を出す仕事がしたいだけなんだよ。