仕事のコト

vol.244 想い、届け。



会社のFacebookにも書かせてもらったが、

本日、ボクが携わらせていただいてる

熊本県の広報誌『県からのたより vol.135』が発行された。


企画コンペで受託した案件なのだが、

一発目からイレギュラーの連続。

今回も、予定していたスケジュールより2ヶ月ほど前倒しした発行で

制作スタッフのブレーンの皆さんも含め、

多大なるご尽力をいただいて本日を迎えることができた。


「なんでそんなことに?」とお思いかもしれないが、

“その時その時の大切な情報を、知事から県民の皆様へお届けする”のが

この広報誌の役割だ。


刻一刻と変わる社会情勢や、突発的に起きた事件・事故・事象を

しっかりと捉え、正確な情報として伝えなければならない。

担当者の方の責務と重圧は、ボクらが思っているよりもはるかに大きいことだろう。


そういった意味で、「レギュラー」という考え方は、

少し違うのかもしれないな。



本年度からの新たな取り組みとして、表紙への“有名人の起用”があった。

前回は、コロナ真っ只中での発行となったため、

起用すべきではないという判断になったのだが、今回はどうだろう?

決して良い方向に向かっているわけではない。

むしろ、コロナに加えて豪雨災害が重なった。


発行が前倒しになった理由もそこにあるのだが、

果たしてそんな状況の中で有名人を起用する必要が本当にあるのだろうか?


そんな中、打ち合わせの中で出たのが武田双雲さんだった。

単なる彩りのための出演ではなく、『書』を書いてほしい。

そして、その『書』が県民の心を少しでも癒し、励まし、

明日へと向かう原動力になって欲しい。


もちろん、受託した業務を遂行する立場ではあるのだが、

予算がどうこうではなく、今この業務に携わるアドマンとして

これは是が非でも実現しなければならないミッションのように感じた。


とはいえ、入稿までの日数も、武田さんとのパイプもあるわけではない。

関係各所に尋ねる一方で、

今回の趣旨をしっかりと伝える内容を自分なりにまとめた。


正面突破。


失敗すれば、表紙に穴があく。

そんな恐怖心もあったが、

事務所から返ってきたのは快い『OK』の返事だった。

とは言え、時間がない。

もともとご提示いただいた制作期間の半分以下。

対面での打ち合わせもできない状況の中、

オンラインでしっかりと想いを伝える。


言葉が決まるのに、そう時間はかからなかった。

「頑張ろう」や「がまだせ」みたいな

ありきたりでどこか他人行儀なフレーズは使いたくない。

あの大地震を乗り切った県民の底力を奮い立たせて欲しい。

熊本県民は、本当に強いんだ。


『熊本魂』




武田さんから、その言葉が出た時、

率直に『それだ!』と思った。




そして、書いていただいた『書』を見た瞬間、震えが止まらなかった。


これが『プロの仕事』というものなんだろう。

墨の濃淡の中に、勢いや想いが凝縮されている感じがして、

しばらくの間、その場を動くことができなかった。


うちみたいな小さな広告代理店にできることなんて微々たるもんだ。

でも、ボクらを支えてくださる高いスキルを持ったブレーンの皆さんや、

地元愛を持って、企画の趣旨にご賛同いただいたアーティストの方、

それをしっかりと通していただく企業(行政)の担当者様。

その結果が、今回の『県からのたより』に詰まっている。


世間からみる38歳なんて、

それなりに大人な見方をされるとは思うが、

まだまだガキだし、勉強も足んないし、もっと頑張らねばとつくづく思う。

“課題”があるってことは、“伸びしろ”があるってことだと

前向きに捉えている。


背伸びはしても、浮き足立たず、

横を大切にしながら、前と上だけを見て走って行こう。


「楽しく生きる」


多分、244回の投稿で一番長くて暑苦しい文章だったなwww

ご拝読、ありがとうございました。







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